スマートフォンのWi-Fiテザリングは危険?テザリングに必要なセキュリティ

屋外でノートパソコンやタブレットをインターネット接続する際、カフェをはじめとする飲食店や駅、ホテルなどの様々な施設でフリーWi-Fiスポットを設置する場所が増えてきたことで、不自由することは徐々に減り始めてきました。
しかしながら、まだ利用できる場所は限られていることや、利用者の多い場所や時間帯によってはWi-Fiの回線が混雑することもあり、また解放されているフリーWi-Fiスポット自体のセキュリティ面への心配も無視できません。
そうした中、ポケットWi-Fiやスマートフォンの「デザリング」機能を利用して、ノートパソコンやタブレットをインターネットに接続しているユーザーも少なくありません。
当コラムでは、スマートフォンのデザリングを利用する上での基本的な使用方法から、セキュリティ面での安全性、適切な設定方法などをメインに取り上げていきます。

デザリングの基本

「テザリング」はスマートフォンに備わっている機能のひとつで、スマートフォン側で契約している通信キャリアのインターネット回線を他機に共有することができるというものです。
これにより、ノートパソコンやタブレットなどの短気でのインターネット接続に対応していないものでも、スマートフォンのデザリング機能を経由してインターネットに接続できるようになります。
利用にはあらかじめキャリア間でのデザリングサービス利用の設定を済ませておく必要がありますが、難しい設定などは必要なく、所有するスマートフォンがインターネット接続可能な状態であればどこでも使用可能です。

ただし、デザリングは目的の端末に有線で接続するわけではなく無線による電波でスマートフォンのインターネット回線を共有させるため、電波の届く範囲内であればだれにでも共有できてしまうところに注意が必要となります。

デザリング接続方法とセキュリティ

デザリング接続には「Wi-Fi」、「Bluetooth」、「USB」による3種類の方法があり、スマートフォン側であらかじめどの方法で回線を共有するかを設定しておく必要があります。
また、この接続方法はデザリング利用時のセキュリティにも関わってくるポイントにもなります。

① Wi-Fi接続

Wi-Fi接続は、使用するスマートフォン自体をWi-Fiスポットとしてネットワークを開放する方法で、接続先のSSID(所有するスマートフォン)と、パスワードを設定しておくことで、目的の端末1台以上をインターネット利用可能にします。
データ転送速度は400Mbps以上を維持して利用できるため、よほど混線する悪い環境や大容量のデータ伝送などをしなければ快適にインターネットが利用できるでしょう。
ここで注意したいポイントとして、Wi-Fiによる接続方法は電波範囲内であれば誰でも接続できてしまうことです。
SSIDが近くの第三者にも閲覧できる状態になるため、もし簡易なパスワードを設定していると不正に回線を利用されたり、情報を盗み見られたりする可能性があります。

②Bluetooth

セキュリティ面において、Bluetoothは基本的に接続元と接続先のそれぞれ1台で成立するため、Wi-Fi接続時のように第三者に不正利用される可能性は低いため比較的安全と言えます。
ただし、使用感のところでデータ転送速度が5Mbps程度になるため、メールによる送受信や一般的なサイト閲覧以外での用途ではストレスが溜まってしまうかもしれません。

③USB

Wi-FiもBluetooth無線による通信に対して、こちらは有線接続になります。
セキュリティ面においては、第三者に不正にネットワーク利用されるリスクもないため、3つの接続方法の中では最も安全と言えます。
ただし、常にケーブルを持参しておかなければいけないという煩わしさはつきまといます。

デザリングを悪用したデータ持ち出し

デザリングは、Wi-Fiスポットでの場所の制限や他の利用者からの影響などもうけることもないため利便性は高いと言える一方で、セキュリティ面でのリスクもはらんでいる点を意識しておく必要あるかもしれません。
とりわけセキュリティ面において、Wi-Fi接続方法については記述したようにパスワードを簡易なものにしないだけでも安全性は向上します。
加えて、デザリングを利用しない間は、適時機能自体をオフにしておくことも効果的です

少し余談にはなりますが、企業組織などでデザリング機能を悪用したデータが持ち出されるケースも確認されているようです。
会社内の回線は、使用状況をモニタリングされていることもあるため、不要なインターネット利用はできませんが、デザリングを使用すれば簡単に社内データをクラウドなどにアップロードすることもできます。
また、デザリングはUSBメモリスティックのように物理的に接続する必要がないため、一見してはわからないため、不正に利用している状況が把握しにくい点も問題の一つです。

このように、デザリングは用途に合わせた使用だけでなく、使用する場所でも気を付ける必要があります。

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